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軍隊の存在理由1998.5.3

昨年9月以来、何度かパリを訪れたが、観光名所と呼ばれる場所という場所に、CRS(機動隊)の姿があるのが印象的だった。そして、国際列車の発着する北駅や、繁華街レアールでは、すごい光景を眼にした。機動隊と共に、陸軍兵士が警邏していたのである。彼らは迷彩服を着て、マシンガンに手に睨みをきかせていた。

ところで、「危機管理」のワードメーカーとして知られる佐々淳行氏(元 内閣安全保障室長)のご子息が通っていた小学校で、かつてこんな事件があった。
ある教師が授業中に「お父さんが警察官や自衛官の人は立ちなさい」と言い、ご子息をはじめ何人かが起立すると、「この人たちのお父さんは悪い人です」と罵ったのだという。

筆者の経験として、中学生の頃「公民」の授業で米軍兵士についての話を聞かされたことがある。彼らは軍隊に入るとまず、敵軍を人とは思わずモノだと思って撃ち殺せといった教育を施されるのだという。つまり、軍隊とは人間を殺人マシーンに変えてしまう恐ろしいものである、というのが授業の論旨だったように思う。

では、筆者がパリで見た兵士たちは皆が皆殺人マシーンなのだろうか。そして、悪い人たちなのか。否、そんなことはない。では、彼ら何のために白昼、市街地を闊歩する必要があるというのか。
これは、軍隊が誰のためにあるのかを考えれば自ずと分かることだ。彼らが守るのは、国民である。攻めて来る敵を撃ち殺さなければ、自分が殺され、自国の市民が殺される。だからこそ、軍人は心を鬼にして戦う教育を受けるのである。
パリでは5年前に白昼立て続けに起きた爆弾テロ事件をきっかけに警戒を強めており、今では駅のコインロッカーを利用するのにさえ、空港のようなエックス線透視検査を受けなければならなくなった。軍隊まで派遣して治安にあたるというのは、「テロ許すまじ」という当局の断固たる意思の現れであろう。自分の家の芝生を荒らす者がいれば、退治するのが当然のことなのだ。

先述の佐々氏は、件の教員との直談判の末、「あなたを免職にするまで戦いますよ」と言うに至ってようやく先方が謝ってきたらしいのだが、「軍隊、警察=悪いもの」という図式が染みついているひとは意外に多いのではなかろうか。しかし、彼らは国民の安全を守るという国家の一大事を担っている。
文字どおりのパブリック・サーバント(公務員)である彼らの存在に、我々は少なからぬ敬意を払う余裕があるべきではなかろうか。そして、世の大人たちはそのことを子供に教える義務があると、筆者は思う。

 
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