「ハロー・アゲイン」1998.9.9

コンピュータひとつにこれだけワクワクさせられるのはいつ以来だろうか? 去る8月27日、アップルの新型機種、"iMac"が日本でも発売された。モニタ一体型のスケルトンボディ、CPUには"G3"と呼ばれる高速CPUを搭載、オールインワンで価格は\178,000。

マッキントッシュのラインナップが高価格帯に推移していることに筆者は危機感を抱いていたが、こういう入門者用モデルもしっかり用意しているとは知らなかった。

筆者の友達の女の子が、夏休み前までは単に「パソコン欲しい」と言っていたのだが、9月になったら「iMac欲しい」と言うようになっていた。日本ではMicrosoft Windowsが圧倒的なシェアを占めていることを承知しつつ、である。
ソニーが「パスポートサイズ」のビデオカメラを世に送り出したとき、人々はただ驚き、そして欲しがった。テープが8ミリかVHSかということは問題ではなかった。それと同じで、OSがどのメーカーであろうが、売れる商品は売れるのだ。

アップル社の事実上のトップであるスティーブ=ジョブスは完璧主義者として知られているが、彼は特に美しさという点において妥協を許さない。かつて部下がつくってきたロジックボード(コンピュータを動かすための根幹となる基板。組み込んでしまえば人目につくことはない)を、「美しくないから」という理由でボツにしたという伝説があるほどである。そうした異常なまでのこだわりによって生まれたマッキントッシュだからこそ、多くの人々が惹きつけられるのだ。

どれだけ技術が進歩しても、我々の心を動かすのは同じ人間の気持ちでしかない。そのことを改めて認識させられる、"iMac"の登場だった。アップルの今後に期待したい。